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言いたいことは山ほどある。

性別や障害、属性で気になること。

【本】発達障害という希望(1) ― アスピーの特徴

発達障害

 『発達障害という希望』(石川憲彦・高岡健著、雲母書房)のP78に以下のような一覧がある。アスペルガー症候群のポジティブな特徴という感じで、大変勇気づけられた。少々、長いが全文を転載する。

 自分はかなり当てはまる(自惚れかも知れないけど)と思う。

 ちなみに、Aspie(アスピー)とは、英語でアスペルガー症候群を差別的でなく好意的に呼ぶ場合の愛称らしい。(アーバン・ディクショナリーより) 

 

「AttwoodとGrayによるAspieの発見基準」
A.ほぼ以下の形をとる対人的な交流における質的な強み
 1.絶対の忠実性と完璧な信頼性を特徴とする友人関係
 2.性差別的、年齢差別的、文化差別的な偏見がない/「額面価値」で他者を評価できる
 3.人間関係に左右されず、あるいは個人的な信念に忠実に、自分の考えを述べる
 4.相矛盾するエビデンスがあっても自説を追求することができる
 5.次のような聞き手や友人を探し求める。
  ユニークな興味関心事や話題に熱中できる人/微に入り細を穿った考察ができる人/たいした利益はもたらさないかもしれないような話題を話しあうことに時間を費やすことができる人
 6.常に意見や思い込みを挟むことなく話が聞ける
 7.主要な関心は、会話に意味ある貢献をすることにある/社交儀礼的雑談や瑣末な世間話や中身のない浅薄な会話は避けたがる
 8.控えめなユーモアのセンスがあり、誠実で、ポジティブな、真の友人を求める
 
B.以下のうち少なくとも3つによって特徴付けられる社会的言語であるアスペルガー言葉を流暢に話す
 1.真理を探究しようとする決意
 2.暗黙の了解事項のない会話
 3.ハイレベルの語彙と言葉への興味
 4.駄洒落のような、語に基づくユーモアを愛好
 5.たとえの絵による表現が高度
 
C.以下の少なくとも4つによって特徴付けられる認知スキル
 1.全体より細部をとても好む
 2.問題解決の際に独創的で、しばしばユニークな考え方をする
 3.並はずれて優れた記憶力や、しばしば他人は忘れたり無視することを詳細に想起する力。たとえば、名前、日付、予定、ルーチンなど
 4.興味のテーマに関する情報を集めたりカタログ化することに熱中する
 5.粘り強く考える
 6.1つあるいはいくつかのテーマに関して、百科事典的あるいは「CD-ROM」的に博識である
 7.ルーチンを理解し、秩序と正確さの維持を重点的に望む
 8.価値判断・意志決定が明晰で、政治的な、または金銭的な条件ではゆるがない
 
D.付加的特徴としてあり得るもの
 1.特定の感覚経験や感覚刺激に対する鋭い感性:たとえば、聴覚や触覚、視覚、嗅覚に関して
 2.1人でするスポーツやゲームが得意。特に次の項目が関係するもの
 3.持久力や視覚的正確さ。たとえば、ボート漕ぎ、水泳、ボウリング、チェスなど
 4.人を疑わない楽天主義者で、「集団の中では縁の下の力持ち」だが、対人関係が下手なためによく被害者になる
 5.一方では、真の友情の可能性を固く信じている
 6.高校卒業後、大学に進学する可能性が一般人口のそれよりも高い
 7.障害が明瞭な人に対してはとてもよく世話をすることがよくある

(出典:『精神科臨床サービス』第11巻02号(星和書店)) 

 

 当てはまるのはA-6を除くA全部、B全部、C全部、Dー1,5,7。
 A-6を除外したのは、思い込みは除外できるが意見(特に批判的なもの)は差し挟む事が多いのと、話題に興味がないと飽きっぽいから。人の話を聞くのは得意なほうではないが、興味のある話なら長時間聞けるといった具合にムラがある。(これは積極奇異型と受動型が混じっている自分の特徴かも知れない。)
 D-2,3はスポーツがあまり得意ではないから。ただしチェスやオセロ、花札などは結構好きだった。(強いかは別問題として。)ただし勝負にこだわり過ぎるので、ゲームを楽しめないのであまりやらない。
 D-4を除外したのは「よく被害者になる」が当てはまらないから。それ以外はだいたい当てはまる。目立つ位置にいるより参謀的に裏方に回るのが好きだ。(目立つのが嫌いだから。)
 D-6は以前にも書いた通り、受験には失敗したので。(受験、舐めすぎてました。)

 

 それ以外はどれも納得できる内容だが、特に「アスペルガー言葉」というのが興味深かった。感情表現をあまり差し挟まず、理屈っぽく、文語体でくどく、たとえ話が好きだ。語彙へのこだわりは相当強く、相手がしゃべってると語彙で引っかかる事も多い。
 A-2の「差別的な偏見がない」は、おそらく「区別が弱い」特性、つまり概念の獲得のしにくさに原因がある。「これこれだからこう」という決めつけが入りにくく、人がそれを言った時に懐疑的になる。理由が分からない事は飲み込めないのだ。一方、自分が観察して確信した事には頑固で、考えを修正するのに時間がかかる。(というかエビデンスを要する。)
 D-1の感覚特性は、前にも書いたように五感の視覚・聴覚・味覚・触覚が過敏で苦労する。嗅覚が弱いのも困る時はあるけど、鋭敏なよりはマシだろう。聴覚が過敏と言っても言葉の聞き取りは悪く、アナウンサーのようなしゃべり方ならほぼすべて聞き取れるけど、ちょっとでも滑舌の悪い人のしゃべってる事は聞き取れない事も多い。
 聴覚で最近気づいたのは、音がどこから聞こえてくるのか、方角がよく分からない。この原因は、壁などに反響している音まで拾ってしまうためじゃないか、と思う。近距離だと時差がないから、同時にあちこちから音が聞こえている状態になり、音源がどこか分からないのだ。これが小さな音でも起こるのでちょっと厄介。

 

 何にしても、こういう表現をして貰うと「障害」という意識はなくなり、自尊感情さえ持てる。というか、これらの特徴を僕はそんなに嫌いではない。漢字名を驚くほど覚えないとか、化学記号を殆ど覚えられなかったとか、英単語を覚えても覚えてもどんどん忘れるとか、少々記憶力に問題はあるものの全般的に記憶力は良く、集中力も持続する。上手く使えば学校の勉強もできたはずなのだが、いかんせん興味のない事には意識が向かない。
 かと言って、「障害じゃない、特徴だ」と言い切ってしまうのも困る人が出てくる。この本ではそのあたりの事にも触れていて、色々と興味深い。以後、気になった点を覚書的に何点かまとめておきたい。