言いたいことは山ほどある。

性別や障害、属性で気になること。

3つ組の障害を持つアスペルガーの定義(ローナ・ウィング)

 アスペルガーがどういうものか知るのに参考になる基礎的資料がこれ。ローナ・ウィング監修。

 

www.autism.jp

 

 カナー型自閉症と同じ「3つ組の障害」を基本にした考えで、「社会性の障害」(他の人と一緒にいるときに、どのように振る舞うべきか)、「コミュニケーションの障害」(自分の思っていることをどう相手に伝えるか、そして相手の言いたいことをどう理解するか)、「イマジネーションの障害」(ふり遊びや、見立て遊び、こだわり)で説明している。カナー型だとこの3つが「できない」くらい低いのだが、アスペルガーの場合できないわけではなく、「定型者のように器用にこなせない」「他人から見て奇妙に見える」のだが、本人は自覚がない場合が多い。

 

 このサイトで紹介している特徴だが、「同年齢の子どもと波長があわない」はない。友達は同年代ばかりで、むしろ小さい子と遊ぶのが苦手だった。自分が末っ子で、たいてい年上に囲まれていたせいかも知れない。自分の母親は赤ん坊や猫にもマジギレする人で驚かされたが、自分も年下の小さい子になかなか我慢ができない。

 「分かりにくい話し方,訥々とした話し方」はあるが、「駄洒落を好む」はない。昔から冗談が苦手で殆ど言わない。たまにつまらない駄洒落を言ってしまい、友達が固まってしまい恥ずかしくなった。「ものまね」は大の苦手。他人の口調を真似るのも最近やっとできるようになった。が、「テレビ・ビデオへの興味」が強く、テレビっ子だった。「思考を言葉に出す」「常同運動」はない。これ以外はだいたい思い当たるのだが、経験から拙いと思い修正したものもある。今でもウッカリすると出てしまうが、定型者だってウッカリくらいするだろう。

 

 その下にある「特有ではないが良く見られる特徴」のほうが心当たりが多い。「不器用」で子供の頃はボタンが大嫌いだった。今でもジッパーを最初かみ合わせるのが中々できないことがある。字はもちろん下手。今でも左右盲だが、子供の頃は鏡文字を頻繁に書いた。

 特に当てはまるのが「音や光、味などへの過敏さ・音への敏感さ・視覚的敏感さ・味覚の敏感さ・嗅覚の敏感さ・触覚的な障害」で、感覚過敏は臭覚以外全部ある。服のタグ切りはデフォルト。「痛みに対する反応」も過敏で、歯医者によく怒られた。痛覚が強いようだ。
 「学習の問題」は自分の場合、高校2年の二学期から目を見張るほど成績が下がったが、これは単にまったく勉強しなかったからだと思う。興味のないことは一切できない。決まり切った答えがある算数・数学は得意で国語も得意だったが、言語能力は高いわけではなく英語・古文は壊滅的だった。注意力は一点集中で色々な対象に広く薄く注意を向けられない。だから、よくあちこちぶつけた。それがあって動くときは注意深い。計画性が一番違っていて、計画を立てるのはむしろ得意だ。旅行の計画など、行きもしないのに暇つぶしで詳細に作った。実際に行くと、予定を分単位で正確にこなさないと気が済まない。変更が加わると判断ができなくなって非常に困る。


 こういうのを改めて細かく見ていると、自分はアスペルガーじゃないのではないかと思えてくる。別の発達障害(多動はないからADHDではないし、過集中があるからADDでもない)か、そもそも発達障害ではないのか。疑い出したのも感覚過敏の部分だった。確定診断を受けてる人だってピッタリ当てはまる人ばかりではないだろうが、「違う」という結果が出る可能性はある。

 ウィングという人は「アスペルガー高機能自閉症を区別しない立場」だ。どちらにも「3つ組の障害」があり、大きな違いはないと書いている。一方でこれを明確に区別する立場もあって、

 「ICD-10DSM-IVアスペルガー症候群は認知・言語発達の遅れがないこと、コミュニケーションの障害がないこと、そして社会性の障害とこだわりがあることで定義されます。」

としている。診断したらアスペルガーではなく非定型自閉症と言われるかも知れないし、そもそも自閉症じゃないと言われるかも知れない。ちなみに、ネットで試せるアスペルガー自己診断では39ポイントだった。